大腸癌腹膜播種に対する減量手術と腹腔内温熱化学療法
目的:大腸癌腹膜播種に対する減量手術と腹腔内温熱化学療法(CRS+HIPEC)は有効な治療法であるが,高い合併症率や再発率など克服すべき問題がある.この研究の目的は,その安全性と有効性を検証することである.方法:CRS+HIPECを行った大腸癌腹膜播種の11例を解析した.CRSはSugarbakerの腹膜切除手技に従って行った.結果:腫瘍量を表すperitoneal cancer index (PCI)中央値は14で,すべての症例で完全切除が得られた.Grade 3以上の合併症は不整脈の1例のみ,90日以内死亡はなかった.術後補助化学療法後の早期再発が7例にみられた.生存期間中央値は26.4カ...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 5; pp. 835 - 841 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2019
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.80.835 |
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Summary: | 目的:大腸癌腹膜播種に対する減量手術と腹腔内温熱化学療法(CRS+HIPEC)は有効な治療法であるが,高い合併症率や再発率など克服すべき問題がある.この研究の目的は,その安全性と有効性を検証することである.方法:CRS+HIPECを行った大腸癌腹膜播種の11例を解析した.CRSはSugarbakerの腹膜切除手技に従って行った.結果:腫瘍量を表すperitoneal cancer index (PCI)中央値は14で,すべての症例で完全切除が得られた.Grade 3以上の合併症は不整脈の1例のみ,90日以内死亡はなかった.術後補助化学療法後の早期再発が7例にみられた.生存期間中央値は26.4カ月であった.結語:CRS+HIPECが安全に行えること,早期再発症例が多く患者選択が重要であることが示された.術前のより正確なPCIの評価と化学療法感受性の評価が必要である. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.80.835 |