本邦の自家/同種造血幹細胞移植後長期生存小児患者におけるQuality of Lifeに関する横断研究
1995-2009年に20歳未満で自家/同種造血幹細胞移植(HSCT)を受け,2年以上無治療で生存している患者に対して,標準化されたquality of life(QOL)尺度を用いて,全国的な横断的調査を施行した.研究参加群(解析対象)442例と研究不参加群(非解析対象)1186例の背景因子を比較したところ,解析対象群で同種骨髄/臍帯血例がやや多く自家末梢血例が少ない傾向があり,解析対象群では最近の移植例が多く,骨髄非破壊的前処置とGVHD予防としてタクロリムスが多い傾向が見られた.しかし解析対象群と非解析対象群において,性別や移植時年齢分布はほぼ同等で,移植対象原疾患の内訳にも差は認められ...
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Published in | 日本造血細胞移植学会雑誌 Vol. 7; no. 3; pp. 107 - 112 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本造血細胞移植学会
2018
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2186-5612 |
DOI | 10.7889/hct-18-002 |
Cover
Summary: | 1995-2009年に20歳未満で自家/同種造血幹細胞移植(HSCT)を受け,2年以上無治療で生存している患者に対して,標準化されたquality of life(QOL)尺度を用いて,全国的な横断的調査を施行した.研究参加群(解析対象)442例と研究不参加群(非解析対象)1186例の背景因子を比較したところ,解析対象群で同種骨髄/臍帯血例がやや多く自家末梢血例が少ない傾向があり,解析対象群では最近の移植例が多く,骨髄非破壊的前処置とGVHD予防としてタクロリムスが多い傾向が見られた.しかし解析対象群と非解析対象群において,性別や移植時年齢分布はほぼ同等で,移植対象原疾患の内訳にも差は認められず,生着不全や急性・慢性GVHDに関しても頻度・程度共に両群で有意差を認めなかったことから,本研究参加群の解析によって本邦の小児HSCT長期生存例のQOLを知ることが可能である.(UMIN9546) |
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ISSN: | 2186-5612 |
DOI: | 10.7889/hct-18-002 |