終末期の臨床倫理症例カンファレンスが医師と看護師に与えた認識の変化に関する質的研究

血液内科病棟では, Jonsen4分割表を用いた臨床倫理症例カンファレンスを多職種で行っているが, カンファレンスにより医師・看護師がどのような思いを抱き, 終末期患者の診療やケアに変化がもたらされたのかを検討した. 医師3名と看護師5名に, 終末期のカンファレンスについて半構成化面接し, 質的記述的にデータ分析した. 〈終末期という時期を意識する〉〈残された時間を考慮したケアへ変化させる〉のサブカテゴリーより《終末期への意識》のカテゴリーを導き出した. 〈チームで共有する重要性を知る〉〈看護師は調整役を果たせる〉〈患者・家族の意思を知る機会である〉のサブカテゴリーより《チームアプローチ》のカ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inPalliative Care Research Vol. 6; no. 2; pp. 227 - 232
Main Authors 上村, 智彦, 小田, 正枝, 横田, 宜子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.6.227

Cover

More Information
Summary:血液内科病棟では, Jonsen4分割表を用いた臨床倫理症例カンファレンスを多職種で行っているが, カンファレンスにより医師・看護師がどのような思いを抱き, 終末期患者の診療やケアに変化がもたらされたのかを検討した. 医師3名と看護師5名に, 終末期のカンファレンスについて半構成化面接し, 質的記述的にデータ分析した. 〈終末期という時期を意識する〉〈残された時間を考慮したケアへ変化させる〉のサブカテゴリーより《終末期への意識》のカテゴリーを導き出した. 〈チームで共有する重要性を知る〉〈看護師は調整役を果たせる〉〈患者・家族の意思を知る機会である〉のサブカテゴリーより《チームアプローチ》のカテゴリーを導き出した. カンファレンスは, 医師と看護師にとっては終末期を意識し, 情報共有の大切さやチームアプローチの重要性を認識する契機となっており, 看護師が自分の果たすべき役割に気づく機会になっていた. Palliat Care Res 2011; 6(2): 227-232
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.6.227