腹腔鏡手術を行った遺残胆嚢内結石の2例
症例1は78歳,女性.10年前,胆石胆嚢炎に対し開腹胆嚢摘出術を施行された.腹痛で発症し当院を受診.遺残胆嚢内結石による胆嚢炎と診断し,腹腔鏡下に手術を行った.操作は難渋したが遺残胆嚢を摘出し胆嚢管をstaplerで閉鎖した.症例2は55歳,男性.腹痛を主訴として来院した.胆嚢頸部に結石嵌頓像を認めた.嵌頓結石が総肝管を強く圧排しMirizzi症候群を呈していた.緊急腹腔鏡手術を行った.危険回避のため嵌頓結石は残したまま胆嚢頸部で胆嚢を切除した.術後3カ月で遺残胆嚢内結石による胆嚢炎を発症した.Mirizzi症候群は解除されていた.再度腹腔鏡手術を行った.遺残結石を摘出し胆嚢頸部を縫合閉鎖した...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 1; pp. 133 - 139 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2019
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.80.133 |
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Summary: | 症例1は78歳,女性.10年前,胆石胆嚢炎に対し開腹胆嚢摘出術を施行された.腹痛で発症し当院を受診.遺残胆嚢内結石による胆嚢炎と診断し,腹腔鏡下に手術を行った.操作は難渋したが遺残胆嚢を摘出し胆嚢管をstaplerで閉鎖した.症例2は55歳,男性.腹痛を主訴として来院した.胆嚢頸部に結石嵌頓像を認めた.嵌頓結石が総肝管を強く圧排しMirizzi症候群を呈していた.緊急腹腔鏡手術を行った.危険回避のため嵌頓結石は残したまま胆嚢頸部で胆嚢を切除した.術後3カ月で遺残胆嚢内結石による胆嚢炎を発症した.Mirizzi症候群は解除されていた.再度腹腔鏡手術を行った.遺残結石を摘出し胆嚢頸部を縫合閉鎖した.2例とも再手術後合併症なく術後早期に退院した.急性胆石胆嚢炎に対し合併症回避のため胆嚢亜全摘を行った2症例で遺残胆嚢内結石胆嚢炎を発症したが,腹腔鏡手術を行い良好な結果を得た. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.80.133 |