診断に難渋した20cm大乳腺嚢胞内癌の1例

症例:75歳,女性.主訴:右乳房腫瘤.既往歴:子宮筋腫,大腸癌,両側白内障.現病歴:平成24年5月頃より右乳房腫瘤を自覚し,急速に増大.平成25年6月に当院受診.初診時所見:右乳房に20×20cmの腫瘤を触知,リンパ節は触知しなかった.超音波検査で充実性腫瘤を疑い針生検を施行.針生検:全て壊死性から血腫様組織で,viableな乳腺組織は認めず.CT/MRI検査:右乳房に嚢胞性腫瘤を認め,一部嚢胞壁の肥厚と造影効果を認めた.二度目の針生検:乳頭状増生を呈する上皮性腫瘍で明らかな悪性所見は認めなかったが,臨床的に悪性の可能性も否定できず同年7月乳房切除術を施行.病理診断で乳腺嚢胞性腫瘤,嚢胞壁の一...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 5; pp. 931 - 934
Main Authors 瀬沼, 幸司, 佐藤, 浩一, 和田, 了
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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Summary:症例:75歳,女性.主訴:右乳房腫瘤.既往歴:子宮筋腫,大腸癌,両側白内障.現病歴:平成24年5月頃より右乳房腫瘤を自覚し,急速に増大.平成25年6月に当院受診.初診時所見:右乳房に20×20cmの腫瘤を触知,リンパ節は触知しなかった.超音波検査で充実性腫瘤を疑い針生検を施行.針生検:全て壊死性から血腫様組織で,viableな乳腺組織は認めず.CT/MRI検査:右乳房に嚢胞性腫瘤を認め,一部嚢胞壁の肥厚と造影効果を認めた.二度目の針生検:乳頭状増生を呈する上皮性腫瘍で明らかな悪性所見は認めなかったが,臨床的に悪性の可能性も否定できず同年7月乳房切除術を施行.病理診断で乳腺嚢胞性腫瘤,嚢胞壁の一部に乳頭腺管癌様組織あり,ER/PgR陽性,HER2 1+.術後ホルモン療法を施行し再発所見は認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.931