男性に発症した乳腺原発神経内分泌癌の1例

症例は59歳,男性.右乳房に腫瘤を認め,徐々に増大傾向あり近医受診,切除生検にて神経内分泌癌の診断に至り,加療目的に当院初回受診,右胸筋温存乳房切除術+センチネルリンパ節生検を施行した.術中迅速にてセンチネルリンパ節に転移を認め,腋窩リンパ節郭清を追加で行った.切除標本の病理診断で約1cmの癌の遺残あり,免疫染色にてChromogranin,Synaptophysin陽性であり,神経内分泌癌と診断された.リンパ節転移は2個認められ,またホルモン感受性陽性,HER2陰性,Ki-67 10%の結果であった.術後補助化学療法としてFEC100 4クール施行後,ドセタキセル 4クール施行,現在タモキシ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 4; pp. 885 - 889
Main Authors 宮部, 理香, 雑賀, 三緒, 白石, 好, 森, 俊治, 磯部, 潔, 笠原, 正男, 田代, 和弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は59歳,男性.右乳房に腫瘤を認め,徐々に増大傾向あり近医受診,切除生検にて神経内分泌癌の診断に至り,加療目的に当院初回受診,右胸筋温存乳房切除術+センチネルリンパ節生検を施行した.術中迅速にてセンチネルリンパ節に転移を認め,腋窩リンパ節郭清を追加で行った.切除標本の病理診断で約1cmの癌の遺残あり,免疫染色にてChromogranin,Synaptophysin陽性であり,神経内分泌癌と診断された.リンパ節転移は2個認められ,またホルモン感受性陽性,HER2陰性,Ki-67 10%の結果であった.術後補助化学療法としてFEC100 4クール施行後,ドセタキセル 4クール施行,現在タモキシフェン内服中である. 男性乳癌は全乳癌の0.5~1%程度の比較的稀な疾患であり,さらに神経内分泌癌は極めて稀である.治療方針も一定の見解が示されておらず,今後症例の蓄積と検討が必要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.885