浅側頭動脈中大脳動脈 (STA-MCA) 吻合術の適応と方法 特にSTA-M2吻合術に注目して

STA-MCA吻合術は局所脳血流量を増加させることにおいて有効な手術術式であるが, 脳卒中予防に効果があるか否かについて1985年のEC/IC bypass groupの国際共同研究1)2)4), 1996年日本の多施設共同研究による脳血行再建術の効果に関する共同研究グループの結果8)とも, その有効性を示すことはできなかった. 脳循環予備能の低下は血行力学的脳低灌流症の診断に不可欠であるが, 血行力学的脳低灌流症を呈する患者においても血行力学的要因が脳梗塞発症の一機序でしかないことが示された. この結果をふまえたうえで現在のわれわれのSTA-MCA吻合術の適応と方法について検討する. 対象と...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 26; no. 5; pp. 311 - 317
Main Authors 詠田, 眞治, 坂田, 修治, 松野, 治雄, 大田, 正流, 由比, 文顕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1998
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.26.5_311

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Summary:STA-MCA吻合術は局所脳血流量を増加させることにおいて有効な手術術式であるが, 脳卒中予防に効果があるか否かについて1985年のEC/IC bypass groupの国際共同研究1)2)4), 1996年日本の多施設共同研究による脳血行再建術の効果に関する共同研究グループの結果8)とも, その有効性を示すことはできなかった. 脳循環予備能の低下は血行力学的脳低灌流症の診断に不可欠であるが, 血行力学的脳低灌流症を呈する患者においても血行力学的要因が脳梗塞発症の一機序でしかないことが示された. この結果をふまえたうえで現在のわれわれのSTA-MCA吻合術の適応と方法について検討する. 対象と方法 われわれの施設でSTA-M2吻合術を開始した1993年10月から1997年3月まで3年6ヵ月の間にSTA-MCA吻合術を施行した14例を対象とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.26.5_311