Components separation法が有効であった20cm大の腹壁瘢痕ヘルニアの1例

症例は67歳,女性.慢性関節リウマチにてステロイド内服中.消化管穿孔に対する小腸部分切除術後,創感染・創離開を合併,単純閉鎖術が行われたが再度創離開をきたし,加療目的に当科紹介となった.皮膚欠損(13×9cm)を伴った腹壁瘢痕ヘルニア(20×9cm)を認め,皮膚欠損部の瘢痕組織から小腸の蠕動が透見された.ステロイド内服中であったことから創感染のリスクが高いと判断し,components separation法(以下,CS法)を第一選択とし,CS法が困難な場合には有茎大腿筋膜張筋移植による修復を行う方針とした.術中,両側の外腹斜筋腱膜切離を行い,緊張なく腹壁再建が可能であったことから,最終的にC...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 2; pp. 586 - 589
Main Authors 宮川, 眞一, 清水, 明, 福島, 健太郎, 横山, 隆秀, 小林, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.586

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Summary:症例は67歳,女性.慢性関節リウマチにてステロイド内服中.消化管穿孔に対する小腸部分切除術後,創感染・創離開を合併,単純閉鎖術が行われたが再度創離開をきたし,加療目的に当科紹介となった.皮膚欠損(13×9cm)を伴った腹壁瘢痕ヘルニア(20×9cm)を認め,皮膚欠損部の瘢痕組織から小腸の蠕動が透見された.ステロイド内服中であったことから創感染のリスクが高いと判断し,components separation法(以下,CS法)を第一選択とし,CS法が困難な場合には有茎大腿筋膜張筋移植による修復を行う方針とした.術中,両側の外腹斜筋腱膜切離を行い,緊張なく腹壁再建が可能であったことから,最終的にCS法による修復を選択した.術後21カ月の経過にて再発を認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.586