悪性リンパ腫の小腸再発により腸重積をきたした1例

症例は77歳の男性。左篩骨洞の悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)の診断で,R-CHOP療法を施行され,寛解となり経過観察されていた。2年後に下腹部痛と嘔吐を主訴に当院に入院となった。CTで回腸の腸重積と診断された。同日,小腸部分切除術を行った。肉眼的に7.0×4.5cmの表面不整な隆起性病変を認めた。病理検査で,悪性リンパ腫の再発と診断された。悪性リンパ腫は寛解にいたっても,再発し,腸重積で発症することがある。悪性リンパ腫の既往のある腸重積症例においては,小腸再発も念頭に入れ,早期に手術を施行することが望ましいと考えられた。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 34; no. 3; pp. 737 - 740
Main Authors 柴田, 健一, 高橋, 良輔, 矢野, 充泰, 高須, 直樹, 蜂谷, 修, 木村, 理
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2014
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Summary:症例は77歳の男性。左篩骨洞の悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)の診断で,R-CHOP療法を施行され,寛解となり経過観察されていた。2年後に下腹部痛と嘔吐を主訴に当院に入院となった。CTで回腸の腸重積と診断された。同日,小腸部分切除術を行った。肉眼的に7.0×4.5cmの表面不整な隆起性病変を認めた。病理検査で,悪性リンパ腫の再発と診断された。悪性リンパ腫は寛解にいたっても,再発し,腸重積で発症することがある。悪性リンパ腫の既往のある腸重積症例においては,小腸再発も念頭に入れ,早期に手術を施行することが望ましいと考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.34.737