成人特発性気腹症の3例

症例1は77歳,男性.平成18年に胸部X線写真で腹腔内遊離ガスを指摘され入院.腹部症状や炎症所見なく,保存的治療で画像上改善したため退院とし,経過良好であった.症例2は85歳,女性.平成21年に胸部X線写真で腹腔内遊離ガスを指摘され入院.この患者は平成6年にも同様に腹腔内遊離ガス認め,試験開腹するも穿孔部位は確認できず,特発性気腹症と診断されていた.腹部症状や炎症所見を認めないため保存的治療のみで退院とし,経過良好であった.症例3は85歳,男性.平成23年に胸部X線写真で腹腔内遊離ガスを指摘された.この患者は平成19年にも腹腔内遊離ガスを指摘され入院.腹部症状や炎症反応認めず,特発性気腹症と診...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 2; pp. 475 - 480
Main Authors 秋本, 修志, 中島, 一記, 福田, 三郎, 先本, 秀人, 河内, 雅年, 江藤, 高陽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.475

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Summary:症例1は77歳,男性.平成18年に胸部X線写真で腹腔内遊離ガスを指摘され入院.腹部症状や炎症所見なく,保存的治療で画像上改善したため退院とし,経過良好であった.症例2は85歳,女性.平成21年に胸部X線写真で腹腔内遊離ガスを指摘され入院.この患者は平成6年にも同様に腹腔内遊離ガス認め,試験開腹するも穿孔部位は確認できず,特発性気腹症と診断されていた.腹部症状や炎症所見を認めないため保存的治療のみで退院とし,経過良好であった.症例3は85歳,男性.平成23年に胸部X線写真で腹腔内遊離ガスを指摘された.この患者は平成19年にも腹腔内遊離ガスを指摘され入院.腹部症状や炎症反応認めず,特発性気腹症と診断され保存的治療で改善していた.前回同様に画像所見以外の症状を認めないため外来経過観察とし,経過良好であった.腹腔内遊離ガスを認めるにも関わらず腹部症状に乏しい場合は,本症の可能性を念頭に置き,十分な観察のもと保存的治療が可能と考えられる.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.475