11年間で腹腔内に3回再発切除した胸膜外悪性孤立性線維性腫瘍の1例

われわれは,腹腔内に発生した巨大胸膜外悪性孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor,以下SFT)を摘出後,11年間に3回再発し摘出術を施行した症例を経験したので報告する.症例は87歳の女性.77歳,80歳,83歳時に腹膜腫瘍で摘出術を施行,いずれも病理組織診断でSFTであった.87歳には腹部膨満感を訴え,CTで骨盤腔から上腹部を占拠する巨大腫瘍と両側内腸骨,下腹壁動脈からの栄養血管を認めた.SFTの3度目の再発と診断し摘出術を施行した.標本は29×27×9cm,1,900gで,4/10HPF以上の核分裂像,出血壊死を伴う病理組織所見であった.免疫組織学検査ではCD34,S...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 2; pp. 393 - 398
Main Authors 鈴木, 博義, 武田, 和憲, 原田, 昭彦, 千葉, 和治, 手島, 伸, 斎藤, 俊博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.393

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Summary:われわれは,腹腔内に発生した巨大胸膜外悪性孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor,以下SFT)を摘出後,11年間に3回再発し摘出術を施行した症例を経験したので報告する.症例は87歳の女性.77歳,80歳,83歳時に腹膜腫瘍で摘出術を施行,いずれも病理組織診断でSFTであった.87歳には腹部膨満感を訴え,CTで骨盤腔から上腹部を占拠する巨大腫瘍と両側内腸骨,下腹壁動脈からの栄養血管を認めた.SFTの3度目の再発と診断し摘出術を施行した.標本は29×27×9cm,1,900gで,4/10HPF以上の核分裂像,出血壊死を伴う病理組織所見であった.免疫組織学検査ではCD34,STAT6,Bcl-2,MIB-1が陽性でSFTと診断した.いずれも悪性度を有し再発しているが,遠隔転移がなく,腹腔内にのみ再発し,過去3回の手術で遺残なく切除されているため,長期生存していると考える.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.393