巨大未破裂左冠尖バルサルバ洞動脈瘤の1例

症例は40歳男性.胸痛で発症し,CT,心エコーで左冠尖の巨大バルサルバ洞動脈瘤が発見され当科入院となった.左冠動脈主幹部の軽度狭小化も認められた.重度大動脈閉鎖不全症を伴っており,破裂の危険性も考慮して準緊急手術を行った.手術は大動脈基部置換術を施行したが,人工心肺からの離脱困難であったため冠血流低下を疑い,冠動脈バイパス術を追加して血行動態の改善をみた.術後経過は良好であった.左冠尖に発生するバルサルバ洞動脈瘤は稀であるが,瘤拡大に伴う圧排による心虚血症状を伴うこともあり,早期の治療を要するものと思われた....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 45; no. 1; pp. 49 - 51
Main Authors 吉井, 新平, 山本, 和男, 杉本, 努, 岡本, 祐樹, 浅見, 冬樹, 白岩, 聡, 長澤, 綾子, 木村, 光裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2016
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.45.49

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Summary:症例は40歳男性.胸痛で発症し,CT,心エコーで左冠尖の巨大バルサルバ洞動脈瘤が発見され当科入院となった.左冠動脈主幹部の軽度狭小化も認められた.重度大動脈閉鎖不全症を伴っており,破裂の危険性も考慮して準緊急手術を行った.手術は大動脈基部置換術を施行したが,人工心肺からの離脱困難であったため冠血流低下を疑い,冠動脈バイパス術を追加して血行動態の改善をみた.術後経過は良好であった.左冠尖に発生するバルサルバ洞動脈瘤は稀であるが,瘤拡大に伴う圧排による心虚血症状を伴うこともあり,早期の治療を要するものと思われた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.45.49