オキシコドン注射剤により末期心不全患者の呼吸困難を良好にコントロールできた症例

【緒言】腎機能低下のためモルヒネが使用困難であった,内科的,外科的に改善の見込めない末期心不全患者の呼吸困難に対し,オキシコドン注射剤を用いて良好にコントロールできた症例を経験したので報告する.【症例】70歳,男性,拡張型心筋症のため以前より入退院を繰り返し,内科的・外科的治療を行われていた.多量の強心薬および利尿薬を使用するも改善なく呼吸困難の増悪を認めたが,腎機能低下のためにモルヒネの代替薬としてオキシコドン注射剤を使用した.経過中を通して心不全の改善は認めなかったが,少量の持続静注により呼吸困難は改善した.【考察】末期心不全患者は腎機能低下を伴うことが多く,呼吸困難緩和目的のモルヒネ使用...

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Published inPalliative Care Research Vol. 11; no. 2; pp. 529 - 533
Main Authors 石井, 浩二, 松尾, 久美, 大野, 麻紀, 武藤, 成紀, 森下, 暁, 永石, 恵美, 宗像, 千恵, 池田, 津奈子, 中嶋, 由紀子, 木下, 裕久, 龍, 恵美, 北條, 美能留, 原, 哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2016
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Summary:【緒言】腎機能低下のためモルヒネが使用困難であった,内科的,外科的に改善の見込めない末期心不全患者の呼吸困難に対し,オキシコドン注射剤を用いて良好にコントロールできた症例を経験したので報告する.【症例】70歳,男性,拡張型心筋症のため以前より入退院を繰り返し,内科的・外科的治療を行われていた.多量の強心薬および利尿薬を使用するも改善なく呼吸困難の増悪を認めたが,腎機能低下のためにモルヒネの代替薬としてオキシコドン注射剤を使用した.経過中を通して心不全の改善は認めなかったが,少量の持続静注により呼吸困難は改善した.【考察】末期心不全患者は腎機能低下を伴うことが多く,呼吸困難緩和目的のモルヒネ使用が困難であることが多い.慎重な観察下にオキシコドンを代替薬として使用することにより,末期心不全患者の呼吸困難を緩和することができる可能性がある.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.11.529