結節性多発動脈炎により,直腸穿孔と人工肛門脱落をきたした1例
結節性多発動脈炎による直腸穿孔と,術後拳上腸管壊死による人工肛門脱落をきたして二度の緊急手術を要した症例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する。症例は62歳女性で,約15年にわたりシェ―グレン症候群として当院膠原病内科で経過観察されていた。2011年9月下旬に下肢の脱力が出現し,同症候群による末梢神経障害を疑われ入院となった。プレドニゾロンを2週間内服したが症状の改善がなく,ステロイドパルス療法を施行した。パルス療法が終了した翌日に直腸穿孔を発症し,Hartmannの手術を施行した。ステロイドによる消化管穿孔と考えていたが,病理診断では結節性多発動脈炎による直腸穿孔であった。また,人工...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 34; no. 3; pp. 701 - 704 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2014
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.34.701 |
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Summary: | 結節性多発動脈炎による直腸穿孔と,術後拳上腸管壊死による人工肛門脱落をきたして二度の緊急手術を要した症例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する。症例は62歳女性で,約15年にわたりシェ―グレン症候群として当院膠原病内科で経過観察されていた。2011年9月下旬に下肢の脱力が出現し,同症候群による末梢神経障害を疑われ入院となった。プレドニゾロンを2週間内服したが症状の改善がなく,ステロイドパルス療法を施行した。パルス療法が終了した翌日に直腸穿孔を発症し,Hartmannの手術を施行した。ステロイドによる消化管穿孔と考えていたが,病理診断では結節性多発動脈炎による直腸穿孔であった。また,人工肛門として拳上したS状結腸にも病変は及んでいた可能性があり,術後第20病日に人工肛門は壊死脱落し,横行結腸に人工肛門を再造設した。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.34.701 |