BCG 膀胱内注入療法後に発生した結核性感染性胸部大動脈瘤に対する TEVAR の1例

症例は79歳男性.膀胱癌に対するBCG注入療法の既往がある.2016年1月より血痰が出現し,精査で痰からウシ型結核菌が検出され薬物治療が開始されたが血痰が続き,評価目的に施行したCTで結核性感染性胸部大動脈瘤切迫破裂と診断され当院に紹介となった.瘤は左肺組織および周囲のリンパ節と一塊になっており肺切除を伴う人工血管置換術はリスクが高く,また抗菌剤加療により感染は制御できていると判断,Z2からステントグラフトを留置する方針とし,1-Debranch+TEVARを施行した.術後より血痰は減少,経過良好にて退院し,紹介元にて抗菌剤療法を継続している....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 46; no. 1; pp. 45 - 48
Main Authors 藤田, 康文, 迫田, 直也, 久持, 邦和, 柚木, 継二, 服部, 滋, 佐伯, 宗弘, 内野, 学, 川畑, 拓也, 吉田, 英生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2017
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.46.45

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Summary:症例は79歳男性.膀胱癌に対するBCG注入療法の既往がある.2016年1月より血痰が出現し,精査で痰からウシ型結核菌が検出され薬物治療が開始されたが血痰が続き,評価目的に施行したCTで結核性感染性胸部大動脈瘤切迫破裂と診断され当院に紹介となった.瘤は左肺組織および周囲のリンパ節と一塊になっており肺切除を伴う人工血管置換術はリスクが高く,また抗菌剤加療により感染は制御できていると判断,Z2からステントグラフトを留置する方針とし,1-Debranch+TEVARを施行した.術後より血痰は減少,経過良好にて退院し,紹介元にて抗菌剤療法を継続している.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.46.45