FDG-PET検査で高集積を伴った食道神経鞘腫の1例

症例は70歳,女性.胸部CT検査にて,上縦隔に長径60mm大の軟部陰影を指摘された.上部消化管内視鏡検査では,門歯より25cmの胸部上部食道に粘膜下腫瘍を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA:Endoscopic Ultrasound-Fine Needle Aspiration Biopsy)を施行したところ,好酸性の紡錘形細胞の増殖を認め,免疫組織染色にてGIST(Gastrointestinal Stromal Tumor)が強く疑われた.FDG-PET検査では同部にSUVmax値が9.9と高集積を認めた.食道悪性GISTを含めた粘膜下腫瘍と診断し,開胸食道亜全摘・胸骨後経...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 4; pp. 720 - 725
Main Authors 栂野, 真吾, 久保, 尚士, 櫻井, 克宣, 豊川, 貴弘, 大平, 雅一, 平川, 弘聖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
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Summary:症例は70歳,女性.胸部CT検査にて,上縦隔に長径60mm大の軟部陰影を指摘された.上部消化管内視鏡検査では,門歯より25cmの胸部上部食道に粘膜下腫瘍を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA:Endoscopic Ultrasound-Fine Needle Aspiration Biopsy)を施行したところ,好酸性の紡錘形細胞の増殖を認め,免疫組織染色にてGIST(Gastrointestinal Stromal Tumor)が強く疑われた.FDG-PET検査では同部にSUVmax値が9.9と高集積を認めた.食道悪性GISTを含めた粘膜下腫瘍と診断し,開胸食道亜全摘・胸骨後経路胃管再建術を施行した.切除標本の免疫染色ではdesmin(-),αSMA(-),S-100(+),CD34(-),KIT(-),DOG1(-),Ki-67<1%であり,食道神経鞘腫と診断された. 食道粘膜下腫瘍では平滑筋腫が最も多く,神経鞘腫は比較的稀である.また,FDG-PET検査が施行された食道神経鞘腫の報告は少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.720