生体腎移植術前の重症 AS に対する自己心膜による大動脈弁再建術の経験
生体腎移植前の慢性腎不全,透析患者の重症AS症例に対し,大動脈弁再建術(aortic valve reconstruction : AVrC)を施行し,心臓手術後早期に生体腎移植を施行することができた症例を経験したので報告する.61歳男性,慢性腎不全による透析患者で,重症大動脈弁狭窄症を認めた.術後早期に生体腎移植を施行する必要があり,術後の抗凝固療法は望ましくないこと,腎移植後には免疫抑制剤の内服を必要とするため,人工物の留置は望ましくないことからAVrCを行った.術後は,大動脈弁口圧較差も少なく逆流もなく順調に経過して,手術から113日後に生体腎移植を受けた.自己心膜弁による大動脈弁再建術...
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 43; no. 2; pp. 92 - 95 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
2014
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Summary: | 生体腎移植前の慢性腎不全,透析患者の重症AS症例に対し,大動脈弁再建術(aortic valve reconstruction : AVrC)を施行し,心臓手術後早期に生体腎移植を施行することができた症例を経験したので報告する.61歳男性,慢性腎不全による透析患者で,重症大動脈弁狭窄症を認めた.術後早期に生体腎移植を施行する必要があり,術後の抗凝固療法は望ましくないこと,腎移植後には免疫抑制剤の内服を必要とするため,人工物の留置は望ましくないことからAVrCを行った.術後は,大動脈弁口圧較差も少なく逆流もなく順調に経過して,手術から113日後に生体腎移植を受けた.自己心膜弁による大動脈弁再建術は抗凝固療法が術直後より不要で,自己組織で作製するために感染の危険が少ない可能性があり,生体腎移植前の慢性腎不全,透析患者の重症大動脈弁狭窄症例には適した治療法と考えられる. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.43.92 |