孤立性腸間膜線維腫症の2例
腸間膜線維腫症は比較的稀な疾患で,Gardner症候群の家族歴や腹部手術,外傷歴を有さない孤発例の報告はさらに少ないとされる.われわれは腸間膜線維腫症の孤発例を2例経験したので,文献的考察を交えて報告する. 症例1は48歳女性.左腹部腫瘤を主訴に来院.CT検査で左腎下極付近に9cm大の腫瘤を指摘され,開腹術にて腫瘤摘出術を施行.腫瘍は空腸腸間膜に認められた.症例2は24歳女性.左下腹部腫瘤を主訴に来院.CTおよびMRI検査で左下腹部に6cm大の腫瘤を認めた.手術にて腫瘤はS状結腸間膜に存在し,回腸間膜と癒着していたためS状結腸とともに回腸の一部を合併切除した.いずれも病理診断にて腸間膜線維腫症...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 2; pp. 551 - 556 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.74.551 |
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Summary: | 腸間膜線維腫症は比較的稀な疾患で,Gardner症候群の家族歴や腹部手術,外傷歴を有さない孤発例の報告はさらに少ないとされる.われわれは腸間膜線維腫症の孤発例を2例経験したので,文献的考察を交えて報告する. 症例1は48歳女性.左腹部腫瘤を主訴に来院.CT検査で左腎下極付近に9cm大の腫瘤を指摘され,開腹術にて腫瘤摘出術を施行.腫瘍は空腸腸間膜に認められた.症例2は24歳女性.左下腹部腫瘤を主訴に来院.CTおよびMRI検査で左下腹部に6cm大の腫瘤を認めた.手術にて腫瘤はS状結腸間膜に存在し,回腸間膜と癒着していたためS状結腸とともに回腸の一部を合併切除した.いずれも病理診断にて腸間膜線維腫症と診断した.症例1は切除後6年,症例2は1年4カ月が経過し,無再発で経過観察中である. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.74.551 |