猫の尿管閉塞に対する非X線透視下におけるSUBの設置に関する検討

ネコの尿管閉塞に対する療として、SUB(Subcutaneous ureteral bypass)はスタンダードな治療手段であるが、その多くがX線透視下で実施されている。我々はSUBの設置を、超音波ガイド下および術中単純X線撮影(非透視下)で行っており、今回はその13症例の治療成績、合併症、予後について検討した。その結果、超音波ガイド下におけるSUB設置においても腎数値は従来の報告と同様に改善し、臨床症状も改善した。合併症に関しては、今回の検討では従来の報告に比較すると、術後感染率がやや高かったが、長期的な予後は良好であり、超音波ガイド下でのSUB設置はネコの尿管閉塞に対する有効な一手段と考え...

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Published in日本獣医麻酔外科学雑誌 Vol. 51; no. 2; pp. 29 - 35
Main Authors 小宮山, 典寛, 佐藤, 愛実, 上林, 悠人, 藤井, 克幸, 塚畑, 宏大, 菊池, 里奈, 早瀬, 彩乃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会 2020
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ISSN2189-6623
2189-6631
DOI10.2327/jjvas.51.29

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Summary:ネコの尿管閉塞に対する療として、SUB(Subcutaneous ureteral bypass)はスタンダードな治療手段であるが、その多くがX線透視下で実施されている。我々はSUBの設置を、超音波ガイド下および術中単純X線撮影(非透視下)で行っており、今回はその13症例の治療成績、合併症、予後について検討した。その結果、超音波ガイド下におけるSUB設置においても腎数値は従来の報告と同様に改善し、臨床症状も改善した。合併症に関しては、今回の検討では従来の報告に比較すると、術後感染率がやや高かったが、長期的な予後は良好であり、超音波ガイド下でのSUB設置はネコの尿管閉塞に対する有効な一手段と考えられた。また、SUBのカテーテル閉塞防止に関する検討として、食餌内容変化と尿比重の関連を検討したが、症例数が少なく今回は明らかな結果は得られず、更なる検討が必要と考えられた。
ISSN:2189-6623
2189-6631
DOI:10.2327/jjvas.51.29