上行結腸腸間膜原発未分化多型肉腫の1例

症例は40歳の男性で,他院より右下腹部痛を主訴に当院に紹介受診となった.当院来院時は右下腹部にて腫瘤を触知し,軽度の圧痛があり,血液検査で軽度の貧血とCRPの上昇を認めた.CTでは上行結腸間膜に境界明瞭な13cm大の造影効果を伴う腫瘍を認めた.精査加療目的に緊急入院したが腹痛が進行したため緊急で,右半結腸切除術を施行した.病理の結果は未分化多型肉腫であった.腸間膜原発の未分化多型肉腫は予後不良の疾患であると考えられているが,報告例は少数であり詳細な予後や標準的治療はいまだ明らかにされていない.近年,完全切除を行うことにより長期生存例も報告されている.積極的な根治切除術が重要であると考えられ,若...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 5; pp. 938 - 942
Main Authors 佐藤, 道夫, 冨田, 眞人, 安藤, 暢敏, 星野, 剛, 光谷, 俊幸, 三島, 江平, 宮田, 量平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.80.938

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Summary:症例は40歳の男性で,他院より右下腹部痛を主訴に当院に紹介受診となった.当院来院時は右下腹部にて腫瘤を触知し,軽度の圧痛があり,血液検査で軽度の貧血とCRPの上昇を認めた.CTでは上行結腸間膜に境界明瞭な13cm大の造影効果を伴う腫瘍を認めた.精査加療目的に緊急入院したが腹痛が進行したため緊急で,右半結腸切除術を施行した.病理の結果は未分化多型肉腫であった.腸間膜原発の未分化多型肉腫は予後不良の疾患であると考えられているが,報告例は少数であり詳細な予後や標準的治療はいまだ明らかにされていない.近年,完全切除を行うことにより長期生存例も報告されている.積極的な根治切除術が重要であると考えられ,若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.938