原発性腹直筋膿瘍の1例

腹直筋膿瘍は手術創感染や腹腔内感染などによる続発性が多く,原発性はまれである。今回健常な若年男性に発症したまれな原発性腹直筋膿瘍の1例を経験したので報告する。症例はインドネシア人の20歳男性。発熱,左下腹部痛を主訴に前医受診。炎症反応高値と腹部CT上左腹直筋内に低吸収腫瘤があり,当院紹介となった。手術や外傷,易感染性疾患の既往。腹部超音波検査で20mm大の低エコー腫瘤を認め,腹直筋膿瘍と判断し局所麻酔下に切開排膿ドレナージを施行した。経口抗菌薬投与で経過観察するも膿瘍腔の増大を認め,2日後に全身麻酔下に切開排膿ドレナージを施行した。腹腔内感染は認めず培養結果はStaphylococcus au...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 39; no. 5; pp. 863 - 866
Main Authors 篠原, 翔一, 俵藤, 正信, 太田, 学, 林, 浩史, 佐藤, 寛丈, 塚原, 宗俊, 安田, 是和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.07.2019
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Summary:腹直筋膿瘍は手術創感染や腹腔内感染などによる続発性が多く,原発性はまれである。今回健常な若年男性に発症したまれな原発性腹直筋膿瘍の1例を経験したので報告する。症例はインドネシア人の20歳男性。発熱,左下腹部痛を主訴に前医受診。炎症反応高値と腹部CT上左腹直筋内に低吸収腫瘤があり,当院紹介となった。手術や外傷,易感染性疾患の既往。腹部超音波検査で20mm大の低エコー腫瘤を認め,腹直筋膿瘍と判断し局所麻酔下に切開排膿ドレナージを施行した。経口抗菌薬投与で経過観察するも膿瘍腔の増大を認め,2日後に全身麻酔下に切開排膿ドレナージを施行した。腹腔内感染は認めず培養結果はStaphylococcus aureusであった。経過良好で術後5日目に軽快退院となった。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.39.863