Warning: Full texts from electronic resources are only available from the university network. You are currently outside this network. Please log in to access full texts.
胸腔鏡補助下憩室切除術を施行した中部食道牽引圧出性憩室の1例
症例は72歳,男性.約2年前より通過障害が出現し,10カ月前からは夜間の胸やけ,咳嗽が伴うようになった.近医で内視鏡検査を施行し食道内に多量の食物残渣を認め,精査加療目的に当科に紹介受診した.当科で施行した食道造影検査で食道胃接合部より口側12cmに5×4cmの嚢状の憩室が確認された.上部内視鏡検査では,多量の食物残渣を伴った憩室が確認され食道内腔は狭窄していた.以上の所見から胸部中部食道憩室と診断し,症状を伴っていることから手術適応とし,胸腔鏡補助下憩室切除術を施行した.術中所見からは牽引性憩室が疑われたが,病理所見と憩室の性状からは圧出性憩室と判断された.総合的に,牽引・圧出混合性憩室と診...
Saved in:
Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 3; pp. 662 - 667 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2014
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.75.662 |
Cover
Summary: | 症例は72歳,男性.約2年前より通過障害が出現し,10カ月前からは夜間の胸やけ,咳嗽が伴うようになった.近医で内視鏡検査を施行し食道内に多量の食物残渣を認め,精査加療目的に当科に紹介受診した.当科で施行した食道造影検査で食道胃接合部より口側12cmに5×4cmの嚢状の憩室が確認された.上部内視鏡検査では,多量の食物残渣を伴った憩室が確認され食道内腔は狭窄していた.以上の所見から胸部中部食道憩室と診断し,症状を伴っていることから手術適応とし,胸腔鏡補助下憩室切除術を施行した.術中所見からは牽引性憩室が疑われたが,病理所見と憩室の性状からは圧出性憩室と判断された.総合的に,牽引・圧出混合性憩室と診断した.中部食道憩室はそのほとんどが炎症性の牽引性憩室であるため,混合性憩室はまれである.また,今回われわれは,術中経口内視鏡を用いることで,安全かつ効率的に胸腔鏡補助下憩室切除術を施行しえた. |
---|---|
ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.75.662 |