急性胆道炎の診療ガイドラインにおける急性胆管炎中等症の取り扱いに関する検討

科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン(以下,JGL)が急性胆道炎の診療を向上させた功績は大きい。しかし,いくつかの問題点も指摘されている。その一つに,重症度判定において中等症が多いことがあげられる。胆道ドレナージ後の絶食期間により中等症のcriteriaを単変量解析したところ,腎障害と高熱に有意差を認め,多変量解析で高熱が選択された。速やかな胆道ドレナージを施行しても高熱例では症状が遷延したことより,重症と同等に取り扱うべきであることが示唆された。また,Tokyo Guidelines(以下,TGL)と比較した結果,中等症のうちTGLのmoderateに相当するのは26%であ...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 32; no. 3; pp. 607 - 610
Main Authors 浮田, 雄生, 大牟田, 繁文, 新後閑, 弘章, 徳久, 順也, 成木良, 瑛子, 斉藤, 倫寛, 権, 勉成, 前谷, 容
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2012
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.32.607

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Summary:科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン(以下,JGL)が急性胆道炎の診療を向上させた功績は大きい。しかし,いくつかの問題点も指摘されている。その一つに,重症度判定において中等症が多いことがあげられる。胆道ドレナージ後の絶食期間により中等症のcriteriaを単変量解析したところ,腎障害と高熱に有意差を認め,多変量解析で高熱が選択された。速やかな胆道ドレナージを施行しても高熱例では症状が遷延したことより,重症と同等に取り扱うべきであることが示唆された。また,Tokyo Guidelines(以下,TGL)と比較した結果,中等症のうちTGLのmoderateに相当するのは26%であり,絶食期間は3.5日と両者の相違が大きいと考えられた。高熱とmoderateを多変量解析した結果どちらも選択されなかったが,TGLでは来院時に判定できないことが課題であると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.32.607