イレウス管による空腸重積を併発し緊急手術を要した原発性回腸癌の1例

イレウス管による空腸重積を併発し,緊急手術を要した原発性回腸癌の1例を経験したので報告する.症例は74歳の男性.2015年3月,1カ月以上続く腹部不快感にて前医を受診した.その後,精査目的に当院紹介受診となり,CTでイレウスと診断され当院入院となった.その時のCTで回腸の一部に閉塞機転が疑われた.イレウス管にて小腸の減圧を図り,閉塞機転を精査してから待機的手術の方針とした.しかし,イレウス管が中々進まずイレウスの改善が不十分であり閉塞機転の精査もできていなかったため,入院後14日目に透視下でイレウス管を先進させた.その後,突然の腹痛・発熱・血圧低下を認め,CTで空腸重積が疑われ緊急手術を施行し...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 3; pp. 582 - 587
Main Authors 國場, 幸均, 土橋, 篤仁, 大坪, 毅人, 石橋, 一慶, 小林, 博通, 吉田, 有徳, 相田, 芳夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2016
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.77.582

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Summary:イレウス管による空腸重積を併発し,緊急手術を要した原発性回腸癌の1例を経験したので報告する.症例は74歳の男性.2015年3月,1カ月以上続く腹部不快感にて前医を受診した.その後,精査目的に当院紹介受診となり,CTでイレウスと診断され当院入院となった.その時のCTで回腸の一部に閉塞機転が疑われた.イレウス管にて小腸の減圧を図り,閉塞機転を精査してから待機的手術の方針とした.しかし,イレウス管が中々進まずイレウスの改善が不十分であり閉塞機転の精査もできていなかったため,入院後14日目に透視下でイレウス管を先進させた.その後,突然の腹痛・発熱・血圧低下を認め,CTで空腸重積が疑われ緊急手術を施行した.手術は腸重積解除術と回腸部分切除術を施行した.術後経過は良好であった.術後の病理検査結果にて原発性回腸癌と診断された.以上に若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.77.582