造影CTで術前診断し得た小児Meckel憩室の1例

症例は3歳の男児で,持続する血便と貧血の精査加療目的に当院に紹介入院となった。上下部消化管内視鏡検査では明らかな出血源は確認できず,小腸出血を疑い造影CT検査を施行した。CTで右上腹部に小腸に開口する憩室構造を認め,Meckel憩室による出血と診断した。緊急手術の方針とし,憩室を含む回腸部分切除術を施行した。病理組織学的所見では,異所性胃粘膜と潰瘍・炎症を伴うMeckel憩室との診断であった。Meckel憩室の術前診断は困難であるが,今回われわれは造影CTが術前診断に有用であった小児Meckel憩室の1例を経験したので報告する。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 38; no. 5; pp. 893 - 896
Main Authors 斎藤, 健一郎, 三井, 毅, 杉田, 浩章, 奥出, 輝夫, 宗本, 義則, 高嶋, 吉浩, 島田, 雅也, 垣内, 大毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.07.2018
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.38.893

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Summary:症例は3歳の男児で,持続する血便と貧血の精査加療目的に当院に紹介入院となった。上下部消化管内視鏡検査では明らかな出血源は確認できず,小腸出血を疑い造影CT検査を施行した。CTで右上腹部に小腸に開口する憩室構造を認め,Meckel憩室による出血と診断した。緊急手術の方針とし,憩室を含む回腸部分切除術を施行した。病理組織学的所見では,異所性胃粘膜と潰瘍・炎症を伴うMeckel憩室との診断であった。Meckel憩室の術前診断は困難であるが,今回われわれは造影CTが術前診断に有用であった小児Meckel憩室の1例を経験したので報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.38.893