第一世代の臨床病理学

創設30周年を迎えた臨床病理学教室に最初から参加した一員として, 教室における30年の仕事をふりかえって記した. 臨床検査室30年の進歩をふりかえってみると. 技術的には自動機械化と簡易迅速化・微量化と精密化の世界であり, 診療面では測定値の解釈・読み方の変遷であった. これからの進歩は, システム化による臨床診断へのサービスを目標とするであろうが, よほど大きなデータベースの作成でも可能となればともかく, 現状での進出は困難である. この30年間臨床検査の正常値に始まって, 定性一般検査・検査値の薬物妨害・化学検査の自動化・血清リパーゼのEIA法の開発など次々に手がけたが, いずれも臨床検査...

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Published in順天堂医学 Vol. 37; no. 2; pp. 172 - 182
Main Author 林, 康之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 1991
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ISSN0022-6769
2188-2134
DOI10.14789/pjmj.37.172

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Summary:創設30周年を迎えた臨床病理学教室に最初から参加した一員として, 教室における30年の仕事をふりかえって記した. 臨床検査室30年の進歩をふりかえってみると. 技術的には自動機械化と簡易迅速化・微量化と精密化の世界であり, 診療面では測定値の解釈・読み方の変遷であった. これからの進歩は, システム化による臨床診断へのサービスを目標とするであろうが, よほど大きなデータベースの作成でも可能となればともかく, 現状での進出は困難である. この30年間臨床検査の正常値に始まって, 定性一般検査・検査値の薬物妨害・化学検査の自動化・血清リパーゼのEIA法の開発など次々に手がけたが, いずれも臨床検査の現場からの要求に基づくテーマである. 臨床病理学講座が中検を現場に持つ, 臨床医学の一領域としては当然の姿であったと考えている.
ISSN:0022-6769
2188-2134
DOI:10.14789/pjmj.37.172