小児期の造血幹細胞移植後Quality of Life (QOL)

第41回日本造血細胞移植学会総会の会長シンポジウムのテーマであった 「移植後の子どもを支える」 のなかで, 造血幹細胞移植後小児のQOLについて解説した。まず移植にとってQOLがどのように位置づけられるかについて述べ, 既報の小児移植例に関するQOL観察研究論文の検索を行い, 対象症例数が40例以上だったものを一覧表にまとめた。観察研究の内容を, Ⅰ. 対照群を持つ横断研究 (移植以外の治療法または健常者対照群との比較をしたもの), Ⅱ. 対照群を持たない横断研究 (移植患者のQOLのみを比較検討したもの), Ⅲ. 縦断研究 (移植患者の経時的なQOL変化を検討したもの), Ⅳ. 患児以外の評...

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Published in日本造血細胞移植学会雑誌 Vol. 8; no. 4; pp. 107 - 121
Main Author 石田, 也寸志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本造血細胞移植学会 2019
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ISSN2186-5612
DOI10.7889/hct-19-004

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Summary:第41回日本造血細胞移植学会総会の会長シンポジウムのテーマであった 「移植後の子どもを支える」 のなかで, 造血幹細胞移植後小児のQOLについて解説した。まず移植にとってQOLがどのように位置づけられるかについて述べ, 既報の小児移植例に関するQOL観察研究論文の検索を行い, 対象症例数が40例以上だったものを一覧表にまとめた。観察研究の内容を, Ⅰ. 対照群を持つ横断研究 (移植以外の治療法または健常者対照群との比較をしたもの), Ⅱ. 対照群を持たない横断研究 (移植患者のQOLのみを比較検討したもの), Ⅲ. 縦断研究 (移植患者の経時的なQOL変化を検討したもの), Ⅳ. 患児以外の評価 (きょうだい・親など) に分けて示し, それぞれの研究結果の要点を示した。本邦で施行された移植後長期生存小児患者におけるQOL調査研究に関して, これまでの研究結果を要約し, 最後に今後の移植後QOL研究の将来についてまとめた。
ISSN:2186-5612
DOI:10.7889/hct-19-004