術前3-D CTを用いて腹腔鏡下手術を施行した盲腸軸捻転症の1例

患者は49歳,男性。腹痛と吃逆を主訴に救急外来を受診した。腹部造影CTでは,移動盲腸の軸捻転と著明な拡張を認め,盲腸軸捻転症と診断し緊急手術の方針とした。緊急手術までの待機中に3-D再構築画像を作成し手術スタッフで術前シミュレーションを行い,同日緊急腹腔鏡下手術を行った。手術は4ポートで盲腸軸捻転の整復を行い,固定不良な右側結腸を授動して回盲部切除を行った。術後経過は良好で,第5病日に退院した。以降8ヵ月再発は認めていない。盲腸軸捻転症は術前診断が困難なことが多く,また腹腔鏡下手術の報告は少ない。今回,術前診断し,3-D再構築画像を補助的に用いて緊急腹腔鏡下手術を行った1例を経験したので報告す...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 39; no. 1; pp. 059 - 062
Main Authors 島田, 岳洋, 田中, 潤子, 小島, 英哲, 蛭川, 和也, 尾野, 大気, 池田, 謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.01.2019
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Summary:患者は49歳,男性。腹痛と吃逆を主訴に救急外来を受診した。腹部造影CTでは,移動盲腸の軸捻転と著明な拡張を認め,盲腸軸捻転症と診断し緊急手術の方針とした。緊急手術までの待機中に3-D再構築画像を作成し手術スタッフで術前シミュレーションを行い,同日緊急腹腔鏡下手術を行った。手術は4ポートで盲腸軸捻転の整復を行い,固定不良な右側結腸を授動して回盲部切除を行った。術後経過は良好で,第5病日に退院した。以降8ヵ月再発は認めていない。盲腸軸捻転症は術前診断が困難なことが多く,また腹腔鏡下手術の報告は少ない。今回,術前診断し,3-D再構築画像を補助的に用いて緊急腹腔鏡下手術を行った1例を経験したので報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.39.059