術後合併症の早期発見を主眼とした胃切除術のクリティカルパス

合併症の早期発見, 予測を可能にするツールとしてクリティカルパスを発展させるためにバリアンスを利用した. バリアンスに明確な基準を設けるために2003年4月から2003年12月に施行した胃切除例で合併症のない66例の日々のバイタルサインを集積し, 各指標の90パーセンタイル値をバリアンス基準値とした. 2005年2月から2005年12月に胃切除を行った120例で実際にクリティカルパスを使用した. バリアンスは70/120例 (58.3%) に発生し, その内, 合併症が発生したものは31/70例 (44.3%) であった. 合併症発生例とバリアンスの関係をみると15/31例 (48.4%) は...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 8 - 13
Main Authors 植木, 伸也, 川村, 秀樹, 野口, 慶太, 田中, 浩一, 三木, 敏嗣, 山上, 英樹, 本間, 重紀, 石津, 寛之, 秦, 庸壮, 近藤, 征文, 岡田, 邦明, 益子, 博幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.8

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Summary:合併症の早期発見, 予測を可能にするツールとしてクリティカルパスを発展させるためにバリアンスを利用した. バリアンスに明確な基準を設けるために2003年4月から2003年12月に施行した胃切除例で合併症のない66例の日々のバイタルサインを集積し, 各指標の90パーセンタイル値をバリアンス基準値とした. 2005年2月から2005年12月に胃切除を行った120例で実際にクリティカルパスを使用した. バリアンスは70/120例 (58.3%) に発生し, その内, 合併症が発生したものは31/70例 (44.3%) であった. 合併症発生例とバリアンスの関係をみると15/31例 (48.4%) は合併症発生日以前にバリアンスが発生し, 他は合併症発生日と同日に発生していた. 逆にバリアンスの発生しなかった症例では合併症が発生しなかった. この結果からわれわれのクリティカルパスにより合併症の早期発見, 予測が可能になると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.8