術前診断した腎細胞癌孤立性小腸転移の1例

症例は76歳,男性.3年8カ月前に左腎細胞癌に対して腹腔鏡下左腎部分切除術を施行し,病理組織学的に淡明細胞癌,pT1a,N0,M0の診断で当院の泌尿器科に定期通院していた.1年3カ月前に左腎細胞癌局所再発に対して局所切除を施行した.腹部CTで回腸末端に腫瘤を指摘され,下部消化管内視鏡検査で回腸末端に1/3周性の1型様隆起性病変を認め,生検で腎細胞癌の診断であった.PET-CTで回腸腫瘤と腸間膜リンパ節に集積を認めた.腎細胞癌回腸転移と診断し,リンパ節郭清を含めた回盲部切除術を施行した.術後6カ月現在,新たな転移再発巣を認めず経過観察中である.腎細胞癌小腸転移例は,他臓器へも転移を合併しているこ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 2; pp. 277 - 281
Main Authors 山本, 泰資, 青山, 広希, 加藤, 哲朗, 塚原, 哲夫, 林, 英司, 河原, 健夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2020
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.81.277

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Summary:症例は76歳,男性.3年8カ月前に左腎細胞癌に対して腹腔鏡下左腎部分切除術を施行し,病理組織学的に淡明細胞癌,pT1a,N0,M0の診断で当院の泌尿器科に定期通院していた.1年3カ月前に左腎細胞癌局所再発に対して局所切除を施行した.腹部CTで回腸末端に腫瘤を指摘され,下部消化管内視鏡検査で回腸末端に1/3周性の1型様隆起性病変を認め,生検で腎細胞癌の診断であった.PET-CTで回腸腫瘤と腸間膜リンパ節に集積を認めた.腎細胞癌回腸転移と診断し,リンパ節郭清を含めた回盲部切除術を施行した.術後6カ月現在,新たな転移再発巣を認めず経過観察中である.腎細胞癌小腸転移例は,他臓器へも転移を合併していることが多い.他臓器転移を伴わない腎細胞癌小腸転移は比較的稀であり報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.81.277