急性胆道炎に対する重症度判定の問題点と課題

(目的)急性胆道炎患者に対する重症度判定の問題点について検討した。(方法)対象は急性胆道炎に対して外科治療を施行した313例である。『急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン』の重症度判定にて分類し,70歳以上の高齢者(A群),それ以下の若年者(B群)に分けて検討した。(成績)急性胆管炎症例は131例で,A群,B群で病悩期間,在院期間に有意差は認めなかった。重症度別(A群/B群)は軽症22.0%/14.3%,中等度64.6%/69.4%,重症13.4%/16.3%であった。中等度2項目陽性例は1項目陽性例に比して緊急処置が増加した。急性胆嚢炎症例は182例で,A群はB群に比して病悩期間,在院期間と...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 32; no. 3; pp. 617 - 622
Main Authors 原田, 信比古, 小池, 伸定, 尾崎, 雄飛, 鈴木, 修司, 鈴木, 衛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2012
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.32.617

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Summary:(目的)急性胆道炎患者に対する重症度判定の問題点について検討した。(方法)対象は急性胆道炎に対して外科治療を施行した313例である。『急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン』の重症度判定にて分類し,70歳以上の高齢者(A群),それ以下の若年者(B群)に分けて検討した。(成績)急性胆管炎症例は131例で,A群,B群で病悩期間,在院期間に有意差は認めなかった。重症度別(A群/B群)は軽症22.0%/14.3%,中等度64.6%/69.4%,重症13.4%/16.3%であった。中等度2項目陽性例は1項目陽性例に比して緊急処置が増加した。急性胆嚢炎症例は182例で,A群はB群に比して病悩期間,在院期間とも有意に長かった。重症度別(A群/B群)は軽症36.7%/38.8%,中等度25.3%/19.4%,重症63.3%/41.7%であった。A群重症症例の2項目陽性例は1項目陽性例に比して緊急処置が増加した。(結論)現状のガイドラインにおいて項目での重みづけと必要条件の見直しが必要と考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.32.617