大量出血を契機に発症してCTにて術前診断し,緊急手術を施行した小腸GISTの1例

要旨:症例は59歳,女性。ふらつきを主訴に近医受診。採血検査で貧血を認め,当院紹介。来院時,Hb4.5,下血も認めた。上部下部消化管内視鏡検査では明らかな出血源を認めなかった。CTにて空腸に濃染する2cm大の腫瘤を認め,小腸腫瘍からの出血と診断し,緊急手術を行った。Treitz靭帯から約30cmの空腸に2cm大の弾性軟,白色の腫瘍を認め,空腸部分切除を施行した。粘膜面には潰瘍形成があり露出血管を認めた。病理検査の結果,20×15mm,low-grade gastrointestinal stromal tu-mor(GIST)と診断された。小腸GISTは管外発育型が多く,腫瘍径が小さい段階で発...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 33; no. 5; pp. 891 - 894
Main Authors 中川, 陽史, 山本, 英夫, 山本, 竜義, 籾山, 正人, 日高, 渉, 早川, 直和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2013
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:要旨:症例は59歳,女性。ふらつきを主訴に近医受診。採血検査で貧血を認め,当院紹介。来院時,Hb4.5,下血も認めた。上部下部消化管内視鏡検査では明らかな出血源を認めなかった。CTにて空腸に濃染する2cm大の腫瘤を認め,小腸腫瘍からの出血と診断し,緊急手術を行った。Treitz靭帯から約30cmの空腸に2cm大の弾性軟,白色の腫瘍を認め,空腸部分切除を施行した。粘膜面には潰瘍形成があり露出血管を認めた。病理検査の結果,20×15mm,low-grade gastrointestinal stromal tu-mor(GIST)と診断された。小腸GISTは管外発育型が多く,腫瘍径が小さい段階で発見されることはまれである。今回われわれは20×15mmと小腫瘍径ながら,大量出血を契機に発症し,CTにて術前診断し得た小腸GISTの1例を経験したので報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.33.891