繰り返す横行結腸嵌頓Morgagni孔ヘルニアの1例

症例は83歳,女性。心窩部痛を主訴に当院救急外来を受診した。持続する心窩部痛と腹部CTでMorgagni孔に嵌頓する横行結腸を認めた。以前に2度同様の症状で当院を受診したが,症状は自然に改善したため,手術治療は拒否され経過観察となっていた。今回は症状の改善を認めず,以前から同様の症状を繰り返していたため,同日根治を考慮した緊急手術となった。手術所見では,横行結腸と大網の嵌頓を認め,用手的に腹腔内へ還納可能であった。腸管は穿孔や壊死所見は認めず,ヘルニア門は3cm×3cm大で周縁組織は強靭であったため,周縁組織を6針結節縫合しヘルニア門を閉鎖して手術終了となった。外来で経過観察しているが,現時点...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 38; no. 4; pp. 697 - 700
Main Authors 林, 弘賢, 黒木, 嘉人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.05.2018
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Summary:症例は83歳,女性。心窩部痛を主訴に当院救急外来を受診した。持続する心窩部痛と腹部CTでMorgagni孔に嵌頓する横行結腸を認めた。以前に2度同様の症状で当院を受診したが,症状は自然に改善したため,手術治療は拒否され経過観察となっていた。今回は症状の改善を認めず,以前から同様の症状を繰り返していたため,同日根治を考慮した緊急手術となった。手術所見では,横行結腸と大網の嵌頓を認め,用手的に腹腔内へ還納可能であった。腸管は穿孔や壊死所見は認めず,ヘルニア門は3cm×3cm大で周縁組織は強靭であったため,周縁組織を6針結節縫合しヘルニア門を閉鎖して手術終了となった。外来で経過観察しているが,現時点で再発所見は認めていない。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.38.697