腎移植後の移植側内鼠径ヘルニアの1例

症例は53歳の男性.38歳時に慢性腎不全に対して生体腎移植が施行されている.10カ月前から右鼠径部の膨隆を自覚し,歩行時の疼痛も出現してきたため当科を受診.右鼠径ヘルニアと診断した.腹部CTでは移植尿管が鼠径管背側の近傍を走行しているのが確認された.手術はLichtenstein法を施行し,合併症なく術後5日目に退院した.腎移植後の移植側鼠径ヘルニアでは移植尿管の保護を考慮する必要があり,腹膜前腔を操作しないLichtenstein法は有用な術式である....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 5; pp. 996 - 999
Main Authors 永田, 祐貴, 青木, 大, 山尾, 幸平, 柳, 政行, 中村, 登, 濵田, 信男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2020
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Summary:症例は53歳の男性.38歳時に慢性腎不全に対して生体腎移植が施行されている.10カ月前から右鼠径部の膨隆を自覚し,歩行時の疼痛も出現してきたため当科を受診.右鼠径ヘルニアと診断した.腹部CTでは移植尿管が鼠径管背側の近傍を走行しているのが確認された.手術はLichtenstein法を施行し,合併症なく術後5日目に退院した.腎移植後の移植側鼠径ヘルニアでは移植尿管の保護を考慮する必要があり,腹膜前腔を操作しないLichtenstein法は有用な術式である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.81.996