メトロノーム療法による術後補助的化学療法を行った犬の悪性腫瘍28例

28頭の犬の悪性腫瘍症例に術後補助的化学療法として、CPMを10~35 mg/m2およびピロキシカム0.3 mg/㎏をそれぞれ一日おきに投与する低用量メトロノーム療法を行い、腫瘍抑制効果ならびに出血性膀胱炎(SHC)の症状である血尿および膀胱炎症状の発現について評価した。その結果、脾臓血管肉腫、膀胱移行上皮癌では従来と同等の効果が得られたが、低用量メトロノーム療法の効果はみられなかった。また、外科切除の成否が予後を左右する重要な因子であることが再確認された。SHCに関しては、膀胱移行上皮癌2頭を除く26頭中3頭(11.5%)で血尿および膀胱炎症状が認められたが、CPMの投与量、投与期間と血尿の...

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Published in日本獣医麻酔外科学雑誌 Vol. 51; no. 2; pp. 16 - 22
Main Authors 及川, 嗣章, 木内, 充, 飯塚, 邦洋, 畠山, 洋之, 佐藤, 敏彦, 太田, 宣浩, 高澤, 和子, 阿部, 泰朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会 2020
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ISSN2189-6623
2189-6631
DOI10.2327/jjvas.51.16

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Summary:28頭の犬の悪性腫瘍症例に術後補助的化学療法として、CPMを10~35 mg/m2およびピロキシカム0.3 mg/㎏をそれぞれ一日おきに投与する低用量メトロノーム療法を行い、腫瘍抑制効果ならびに出血性膀胱炎(SHC)の症状である血尿および膀胱炎症状の発現について評価した。その結果、脾臓血管肉腫、膀胱移行上皮癌では従来と同等の効果が得られたが、低用量メトロノーム療法の効果はみられなかった。また、外科切除の成否が予後を左右する重要な因子であることが再確認された。SHCに関しては、膀胱移行上皮癌2頭を除く26頭中3頭(11.5%)で血尿および膀胱炎症状が認められたが、CPMの投与量、投与期間と血尿の発現には明らかな関連性はみられなかった。しかしながら、投与量が最も多かった1例が重度なSHCを発症していることから、投与量は重要な発生因子になると思われた。
ISSN:2189-6623
2189-6631
DOI:10.2327/jjvas.51.16