カーボンナノチューブ分散混合水の熱伝導率推定
本研究は,多層カーボンナノチューブ(MWCNT: Multi-Wall Carbon Nanotube)分散混合水の,熱伝導率推定に適する理論推定モデルの検討を目的とする.MWCNT分散水の分散質と連続相の熱伝導率比は,MWCNTが高い熱伝導率を有していることから,これまでに評価された範囲を超えて大きい.適正な理論推定モデルは,MWCNT組成質量割合と温度をパラメータとし,細線加熱法による実測定値との比較により検討を行った.非常に細く長い形状を有する供試MWCNTは,変形し交錯した状態で連続相中に分散していると考えられる.よって,MWCNT分散水の熱伝導率推定は,球体分散モデルと円柱配置モデル...
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Published in | 熱物性 Vol. 35; no. 3; pp. 76 - 82 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本熱物性学会
2021
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Subjects | |
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Summary: | 本研究は,多層カーボンナノチューブ(MWCNT: Multi-Wall Carbon Nanotube)分散混合水の,熱伝導率推定に適する理論推定モデルの検討を目的とする.MWCNT分散水の分散質と連続相の熱伝導率比は,MWCNTが高い熱伝導率を有していることから,これまでに評価された範囲を超えて大きい.適正な理論推定モデルは,MWCNT組成質量割合と温度をパラメータとし,細線加熱法による実測定値との比較により検討を行った.非常に細く長い形状を有する供試MWCNTは,変形し交錯した状態で連続相中に分散していると考えられる.よって,MWCNT分散水の熱伝導率推定は,球体分散モデルと円柱配置モデルにより検討した.熱伝導率実測値は,熱流が軸方向である円柱配置のRayleighモデルおよびHamilton式による推定値と良く一致する結果が得られた. |
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ISSN: | 0913-946X 1881-414X |
DOI: | 10.2963/jjtp.35.76 |