印環細胞を主体としたALK陽性肺腺癌の1例

症例は63歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され,外来を受診した.胸部CTで右肺下葉に結節影を認め,肺癌を疑い,画像上,遠隔転移を認めず,手術の方針となった.胸腔鏡下右肺下葉切除術,縦隔リンパ節郭清(ND2a-1)を施行した.病理診断は,印環細胞成分を60%含む,腺癌であった.上部消化管内視鏡で胃癌を認めず,免疫染色ではTTF-1陽性,CK-7陽性,CK-20陰性であり,原発性肺癌と診断した.また,ALK遺伝子変異を認めた.印環細胞成分を含む,原発性肺癌は比較的稀であるが,高率にALK遺伝子変異陽性であることが知られ,ALK阻害剤が有効である点で臨床的に極めて重要であり,報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 5; pp. 962 - 965
Main Authors 中野, 順隆, 神賀, 正博, 角, 勇作, 今村, 史人, 間瀬, 憲多朗, 檜山, 和寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.962

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Summary:症例は63歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され,外来を受診した.胸部CTで右肺下葉に結節影を認め,肺癌を疑い,画像上,遠隔転移を認めず,手術の方針となった.胸腔鏡下右肺下葉切除術,縦隔リンパ節郭清(ND2a-1)を施行した.病理診断は,印環細胞成分を60%含む,腺癌であった.上部消化管内視鏡で胃癌を認めず,免疫染色ではTTF-1陽性,CK-7陽性,CK-20陰性であり,原発性肺癌と診断した.また,ALK遺伝子変異を認めた.印環細胞成分を含む,原発性肺癌は比較的稀であるが,高率にALK遺伝子変異陽性であることが知られ,ALK阻害剤が有効である点で臨床的に極めて重要であり,報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.962