骨盤腔内後腹膜原発solitary fibrous tumorの1例

症例は56歳,男性.肛門痛で入院した.下腹部に腫瘤を触知し,腹部造影CTおよびMRIにて右梨状筋前面の骨盤内後腹膜原発間葉系腫瘍と診断し手術を施行した.周囲臓器浸潤なく腫瘍切除術を施行した.摘出標本で径100×90×80mm.組織でpatternless patternを,免疫染色でCD34(+),vimentin(+),c-kit(-),SMA(-),S-100(-)を認め,分裂指数3/10HPF,p53陽性率1%,MIB-1陽性率3%でありsolitary fibrous tumor(以下,SFTと略記),低悪性度と診断された.術後5年経過し無再発生存中である.SFTは胸膜原発が多く,胸膜...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 1; pp. 234 - 239
Main Authors 山中, 秀高, 日高, 渉, 松永, 宏之, 神谷, 里明, 松崎, 安孝, 溝口, 良順
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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Summary:症例は56歳,男性.肛門痛で入院した.下腹部に腫瘤を触知し,腹部造影CTおよびMRIにて右梨状筋前面の骨盤内後腹膜原発間葉系腫瘍と診断し手術を施行した.周囲臓器浸潤なく腫瘍切除術を施行した.摘出標本で径100×90×80mm.組織でpatternless patternを,免疫染色でCD34(+),vimentin(+),c-kit(-),SMA(-),S-100(-)を認め,分裂指数3/10HPF,p53陽性率1%,MIB-1陽性率3%でありsolitary fibrous tumor(以下,SFTと略記),低悪性度と診断された.術後5年経過し無再発生存中である.SFTは胸膜原発が多く,胸膜外SFTは区別されている.自験例を含めた本邦報告骨盤内後腹膜原発SFTの検討では,組織学的に悪性が多いが生物学的には悪性度が低い可能性があり,完全切除と経過観察の重要性が示唆された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.234