完全内臓逆位患者に対してfissureless lobectomyを施行した1例

完全内臓逆位に合併した肺癌に対してfissureless lobectomyを施行した1例を報告する.症例は完全内臓逆位を指摘されている67歳女性.血液透析のシャント瘤増大を主訴に受診し,CTで偶発的に左上葉結節影を指摘された.気管支鏡検査を含む全身評価でcT1aN0M0,cStageIA1,腺癌と診断し,手術を行った.小開胸によるhybrid VATSアプローチで手術を開始,左肺は3葉に分かれていたが,分葉不良でありfissureless lobectomyを行うこととした.鏡面像であったが術前の3D-CTで解剖を把握していたため,通常の右上葉切除術と同様の手順で左上葉のfissureles...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 37; no. 7; pp. 629 - 634
Main Authors 藤川, 遼, 小澤, 広輝, 小林, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸器外科学会 15.11.2023
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Summary:完全内臓逆位に合併した肺癌に対してfissureless lobectomyを施行した1例を報告する.症例は完全内臓逆位を指摘されている67歳女性.血液透析のシャント瘤増大を主訴に受診し,CTで偶発的に左上葉結節影を指摘された.気管支鏡検査を含む全身評価でcT1aN0M0,cStageIA1,腺癌と診断し,手術を行った.小開胸によるhybrid VATSアプローチで手術を開始,左肺は3葉に分かれていたが,分葉不良でありfissureless lobectomyを行うこととした.鏡面像であったが術前の3D-CTで解剖を把握していたため,通常の右上葉切除術と同様の手順で左上葉のfissureless lobectomyを完遂した.完全内臓逆位患者においても,術前に3D-CT等で綿密な計画を立てることでfissureless lobectomyは安全に施行可能であった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.37.629