肺動脈弁逆流を伴う新生児重症Ebstein病に対してStarnes手術変法を行った2例

Ebstein病の重症度はさまざまであるが,胎生期および生直後に発症する重症例においては循環維持が困難な危機的な状態となり,生直後に外科的介入が必要となることも多い.今回,肺動脈弁逆流を伴いcircular shuntの状態となった新生児Ebstein病の2例に対し,主肺動脈結紮術などを先行したRapid two-stage approachによるStarnes手術変法を施行した.① 症例1.在胎39週に吸引分娩にて体重3,012 gで出生.7生日に両側肺動脈絞扼術,主肺動脈結紮術,右房縫縮術を施行するも,術後に乳酸アシドーシスの進行を認めたため8生日に緊急Starnes手術を施行した.② 症...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 52; no. 4; pp. 216 - 220
Main Authors 土田, 正則, 杉本, 愛, 高橋, 利典, 渡邉, マヤ, 白石, 修一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.07.2023
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.52.216

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Summary:Ebstein病の重症度はさまざまであるが,胎生期および生直後に発症する重症例においては循環維持が困難な危機的な状態となり,生直後に外科的介入が必要となることも多い.今回,肺動脈弁逆流を伴いcircular shuntの状態となった新生児Ebstein病の2例に対し,主肺動脈結紮術などを先行したRapid two-stage approachによるStarnes手術変法を施行した.① 症例1.在胎39週に吸引分娩にて体重3,012 gで出生.7生日に両側肺動脈絞扼術,主肺動脈結紮術,右房縫縮術を施行するも,術後に乳酸アシドーシスの進行を認めたため8生日に緊急Starnes手術を施行した.② 症例2.胎児水腫を認めたため在胎37週に緊急帝王切開にて体重2,528 gで出生.0生日に主肺動脈結紮術を施行.術後も循環動態は改善せずアシドーシスの進行を認めたため,1生日に緊急Starnes手術を施行した.どちらも良好な経過が得られたため報告する.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.52.216