バルプロ酸によるカルニチン欠乏症に続発した高アンモニア血症に対してカルニチン補充療法が著効した1例

症例は75歳男性.1958年にてんかんと診断されてバルプロ酸を含む抗てんかん薬開始.2011年にγ-GTP高値と高アンモニア血症を指摘.血液検査,腹部エコー,腹部造影CTで肝硬変を示唆する検査値や所見は認められなかった.カルニチンは著明な低値を示しており,バルプロ酸によるカルニチン欠乏症に続発した高アンモニア血症と診断した.レボカルニチン投与開始後,血中カルニチン濃度,血中アンモニア値,自覚症状の改善が認められた.バルプロ酸投与例では高アンモニア血症に留意するとともにカルニチンを測定してカルニチン補充療法の適応を判断すべきと考えられた....

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Published in肝臓 Vol. 59; no. 8; pp. 421 - 426
Main Authors 能津, 昌平, 道堯, 浩二郎, 平岡, 淳, 相引, 利彦, 奥平, 知成, 山子, 泰加, 岩﨑, 竜一朗, 富田, 英臣, 壷内, 栄治, 二宮, 朋之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 20.08.2018
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Summary:症例は75歳男性.1958年にてんかんと診断されてバルプロ酸を含む抗てんかん薬開始.2011年にγ-GTP高値と高アンモニア血症を指摘.血液検査,腹部エコー,腹部造影CTで肝硬変を示唆する検査値や所見は認められなかった.カルニチンは著明な低値を示しており,バルプロ酸によるカルニチン欠乏症に続発した高アンモニア血症と診断した.レボカルニチン投与開始後,血中カルニチン濃度,血中アンモニア値,自覚症状の改善が認められた.バルプロ酸投与例では高アンモニア血症に留意するとともにカルニチンを測定してカルニチン補充療法の適応を判断すべきと考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.59.421