クラリスロマイシン耐性肺Mycobacterium avium complex症に対する肺切除療法
マクロライド耐性の肺Mycobacterium avium complex症(肺MAC症)は治療に難渋する.当院ではクラリスロマイシン(CAM)耐性肺MAC症症例に対して外科治療を行ってきた.2014年1月~2019年12月にCAM耐性肺MAC症に対して肺切除を行った14例を対象に検討した.CAM耐性判明から手術までの期間の中央値は5.0ヵ月であった.全例で周術期にアミノグリコシド系抗菌薬が投与されていた.術前喀痰培養は11例で陽性であった.全例で解剖学的肺切除が行われた.気管支断端瘻を1例に認めた.12例で術後喀痰培養が陰性であり,これら12例では再発を認めなかった.術後喀痰培養が陽性の2例...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 36; no. 1; pp. 7 - 15 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.01.2022
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.36.7 |
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Summary: | マクロライド耐性の肺Mycobacterium avium complex症(肺MAC症)は治療に難渋する.当院ではクラリスロマイシン(CAM)耐性肺MAC症症例に対して外科治療を行ってきた.2014年1月~2019年12月にCAM耐性肺MAC症に対して肺切除を行った14例を対象に検討した.CAM耐性判明から手術までの期間の中央値は5.0ヵ月であった.全例で周術期にアミノグリコシド系抗菌薬が投与されていた.術前喀痰培養は11例で陽性であった.全例で解剖学的肺切除が行われた.気管支断端瘻を1例に認めた.12例で術後喀痰培養が陰性であり,これら12例では再発を認めなかった.術後喀痰培養が陽性の2例は両側気管支拡張病変症例であり対側手術を施行した.1例は対側手術後も排菌が持続したが,もう1例は対側手術後に喀痰培養は陰性化した.CAM耐性肺MAC症に対するアミノグリコシド系抗菌薬を含む化学療法を併用した肺切除療法は有効な治療となりうる. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.36.7 |