カルバペネム系抗菌薬の使用量集計における分母の検討 耐性緑膿菌分離との相関に関する多施設共同後方視的研究

「緒言」抗菌薬使用量サーベイランスは, 抗菌薬使用の最適化を目的とした介入の効果などを評価する指標の1つであり, 抗菌薬適正使用支援プログラムのアウトカムである薬剤耐性菌発生状況と関連付けて評価を行うことで薬剤耐性の変化や拡大の予兆を適確に把握することができる. 抗菌薬使用量の集計には, 抗菌薬使用密度(antimicrobial use density: AUD)や使用日数(days of therapy: DOT)が使用されている. AUDは使用量を世界保健機構(World Health Organization: WHO)が定義した仮想平均維持用量(defined daily dose:...

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Published in医療薬学 Vol. 48; no. 11; pp. 491 - 499
Main Authors 佐々木, 志保, 森下, 奨太, 藤原, 弘光, 安井, 幸恵, 北澤, ひとみ, 西垣, 智子, 宮前, 文明, 森田, 俊博, 猪木, 摩耶子, 門脇, 昭夫, 高根, 浩, 吉田, 昭昌, 千酌, 浩樹, 山本, 敏夫, 西村, 清孝, 岸本, 篤人, 田邊, 里絵, 薮田, 裕介, 長谷川, 千絵, 小林, 香織, 木戸脇, 久美, 木山, 圭吾, 中山, 卓, 三好, 由希子, 浅野, 博美, 中本, 晶大, 長尾, 孝夫, 森本, 幸弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.11.2022
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.48.491

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Summary:「緒言」抗菌薬使用量サーベイランスは, 抗菌薬使用の最適化を目的とした介入の効果などを評価する指標の1つであり, 抗菌薬適正使用支援プログラムのアウトカムである薬剤耐性菌発生状況と関連付けて評価を行うことで薬剤耐性の変化や拡大の予兆を適確に把握することができる. 抗菌薬使用量の集計には, 抗菌薬使用密度(antimicrobial use density: AUD)や使用日数(days of therapy: DOT)が使用されている. AUDは使用量を世界保健機構(World Health Organization: WHO)が定義した仮想平均維持用量(defined daily dose: DDD)(http://www.whocc.no/atc_ddd_index, 2022年6月6日)で補正した値だが, 小児や腎機能低下患者では過小評価となる. 米国ではそれらの影響を受けないDOTが標準的な指標として使用されており, わが国でもDOTが使用されるようになっている. 医療施設内の抗菌薬使用量の集計における分母には, bed-daysやpatient-daysなど在院患者延数が使用され, DOTs/100 bed-daysやDOTs/1,000patient-daysなどを使用することで施設間の比較が可能となる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.48.491