多元的調査結果にみられる有痛顎関節症患者の年代別寄与因子に関する探索的調査
来院する顎関節症患者数の年代傾向は20~30歳代をピークとして以後徐々に減少する。この来院傾向に影響する要因を検討することを目的として, 有痛顎関節症初診患者に対して2003年9月から1年間にわたり実施した多元的調査から, 10歳代, 20~30歳代, 40~50歳代, 60歳以上の4年代群における来院数および症状, 障害, 精神的, 行動学的寄与因子の特徴を比較検討した。その結果, 10歳代40例, 20~30歳代290例, 40~50歳代129例, 60歳以上75例となり, これまでの報告と同様な来院動向を示した。年代比較では, 疼痛感覚表現強度, 起床時開口困難得点を除く, 開口距離,...
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Published in | Journal of the Japanese Society for the Temporomandibular Joint Vol. 19; no. 3; pp. 218 - 226 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本顎関節学会
2007
The Japanese Society for Temporomandibular Joint |
Subjects | |
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ISSN | 0915-3004 1884-4308 |
DOI | 10.11246/gakukansetsu1989.19.218 |
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Summary: | 来院する顎関節症患者数の年代傾向は20~30歳代をピークとして以後徐々に減少する。この来院傾向に影響する要因を検討することを目的として, 有痛顎関節症初診患者に対して2003年9月から1年間にわたり実施した多元的調査から, 10歳代, 20~30歳代, 40~50歳代, 60歳以上の4年代群における来院数および症状, 障害, 精神的, 行動学的寄与因子の特徴を比較検討した。その結果, 10歳代40例, 20~30歳代290例, 40~50歳代129例, 60歳以上75例となり, これまでの報告と同様な来院動向を示した。年代比較では, 疼痛感覚表現強度, 起床時開口困難得点を除く, 開口距離, 疼痛部位数・強度・期間, 日常生活での障害といった, 症状および障害項目に有意差なく, 神経症的性格傾向および行動学的因子の多くの項目に有意差がみられた。10歳代では生活上の寄与因子が, 20~30歳代では職場関連因子が特徴的であり, 以後寄与因子は減少するが, 40~50歳代では60歳以上よりもいくつかの要因を残しており, 来院数の動向にこれら因子が影響している可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 0915-3004 1884-4308 |
DOI: | 10.11246/gakukansetsu1989.19.218 |