顎関節症患者の画像診断に対するScanora®の臨床使用経験
顎関節症患者に対しScanora®を用いた上関節腔二重造影断層撮影法による顎関節のX線検査を行った。対象は県立岐阜病院歯科口腔外科にて臨床的に顎関節症と診断された患者を対象とし, 日本顎関節学会の分類で臨床的にI型, その他のものは対象外とした。検査対象となった患者数は20名で, 男性5名, 女性15名で, 平均年齢は35歳であった。上関節腔二重造影断層撮影において, 全ての症例において明瞭なX線画像が得られ, 側頭骨, 関節円板, 下顎頭の形態, 関節円板の変化や位置関係が診断できた。その結果, 関節円板前方転位が7例, その内復位を伴うものが4例, 伴わないものが3例, 上関節腔線維性癒着...
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Published in | Journal of the Japanese Society for the Temporomandibular Joint Vol. 12; no. 3; pp. 332 - 338 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本顎関節学会
2000
The Japanese Society for Temporomandibular Joint |
Subjects | |
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ISSN | 0915-3004 1884-4308 |
DOI | 10.11246/gakukansetsu1989.12.332 |
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Summary: | 顎関節症患者に対しScanora®を用いた上関節腔二重造影断層撮影法による顎関節のX線検査を行った。対象は県立岐阜病院歯科口腔外科にて臨床的に顎関節症と診断された患者を対象とし, 日本顎関節学会の分類で臨床的にI型, その他のものは対象外とした。検査対象となった患者数は20名で, 男性5名, 女性15名で, 平均年齢は35歳であった。上関節腔二重造影断層撮影において, 全ての症例において明瞭なX線画像が得られ, 側頭骨, 関節円板, 下顎頭の形態, 関節円板の変化や位置関係が診断できた。その結果, 関節円板前方転位が7例, その内復位を伴うものが4例, 伴わないものが3例, 上関節腔線維性癒着が6例, クローズドロックが3例, レシプロカルクリックが1例, 正常像を呈したものが6例に認められた。症型分類ではII型が7例, III型が13例, その内IIIaが4例, IIIbが3例であった。また一人あたりに要した検査時間は約20分程度であった。これらのことからScanora®による上関節腔二重造影断層撮影法による顎関節症患者の画像診断法は簡便かつ有用であることが示唆された。 |
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ISSN: | 0915-3004 1884-4308 |
DOI: | 10.11246/gakukansetsu1989.12.332 |