誘電体多層膜を用いた宇宙用熱制御材料の熱光学特性評価

従来の宇宙機用ラジエータ材は太陽光を反射する目的で金属を含む材料を一般に用いていたため,電波透過面に適用することは出来ない.そこで,金属を用いず低太陽光吸収率を示し,かつ,高全半球放射率を示す新しい電波透過型宇宙用熱制御材COSF(Controlled Optical Surface Film)を開発している.本材料は,耐宇宙環境性に優れたポリイミドフィルムを基板とし,その表面には誘電体多層膜が成膜されている.多層膜の膜厚は遺伝的アルゴリズムを用いて設計し,低太陽光吸収率及び高全半球放射率となるように,評価関数を設定した.本論文では,熱光学特性に関する設計方法及び測定結果について報告する....

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Published in熱物性 Vol. 35; no. 1; pp. 5 - 11
Main Authors 長坂, 雄次, 太刀川, 純孝, 冨岡, 孝太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本熱物性学会 2021
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Summary:従来の宇宙機用ラジエータ材は太陽光を反射する目的で金属を含む材料を一般に用いていたため,電波透過面に適用することは出来ない.そこで,金属を用いず低太陽光吸収率を示し,かつ,高全半球放射率を示す新しい電波透過型宇宙用熱制御材COSF(Controlled Optical Surface Film)を開発している.本材料は,耐宇宙環境性に優れたポリイミドフィルムを基板とし,その表面には誘電体多層膜が成膜されている.多層膜の膜厚は遺伝的アルゴリズムを用いて設計し,低太陽光吸収率及び高全半球放射率となるように,評価関数を設定した.本論文では,熱光学特性に関する設計方法及び測定結果について報告する.
ISSN:0913-946X
1881-414X
DOI:10.2963/jjtp.35.5