耳下腺多形腺腫由来筋上皮癌及びその肺転移の診断にKi-67の免疫染色が有用であった一例

症例は74歳女性.7年前に耳下腺腫瘍に対し手術を行い,耳下腺多形腺腫と診断された.既往にシェーグレン症候群,強皮症があり,経過観察のCTで左肺S1+2に1.0 cm,左肺S8に1.4 cm,右肺S2に0.6 cmの増大する結節影を認め,PETでも同部位に集積を認めた.まず左肺S8,S1+2の部分切除を,二期的に右肺S2の部分切除を行った.病理学的に再検討した結果, 既往の耳下腺腫瘍は多形腺腫由来筋上皮癌であり,肺病変は同筋上皮癌の肺転移と診断された.本症例において免疫染色でのKi-67の陽性率が非常に有用であり,文献的考察を加え報告する....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 37; no. 1; pp. 8 - 14
Main Authors 國光, 多望, 太田, 澪, 内田, 嚴, 大貫, 雄一郎, 佐藤, 大輔, 松原, 寛知
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.01.2023
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.37.8

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Summary:症例は74歳女性.7年前に耳下腺腫瘍に対し手術を行い,耳下腺多形腺腫と診断された.既往にシェーグレン症候群,強皮症があり,経過観察のCTで左肺S1+2に1.0 cm,左肺S8に1.4 cm,右肺S2に0.6 cmの増大する結節影を認め,PETでも同部位に集積を認めた.まず左肺S8,S1+2の部分切除を,二期的に右肺S2の部分切除を行った.病理学的に再検討した結果, 既往の耳下腺腫瘍は多形腺腫由来筋上皮癌であり,肺病変は同筋上皮癌の肺転移と診断された.本症例において免疫染色でのKi-67の陽性率が非常に有用であり,文献的考察を加え報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.37.8