くも膜下出血における脳血管攣縮期の輸液管理 Fludrocortisone acetateの有用性について

われわれは破裂脳動脈瘤急性期の血管攣縮の予防に対し, 積極的なhypervolemic therapyを行い良好な結果を得ている. ところが実際に輸液量を増していくと, 血清ナトリウムの低下を伴った尿量の増加が起こり, 目標の循環血漿量の確保に苦慮することが多い. この病態にはナトリウム利尿に基づく, いわゆるcentral salt wasting syndromeが関与しているものと推測される. 近年, くも膜下出血急性期におけるナトリウムおよび水分出納に着目した循環血漿量の管理が注目されてきている1)7)8)9)12). 本研究では, くも膜下出血急性期における水分, 電解質出納を観察す...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 26; no. 4; pp. 265 - 269
Main Authors 森, 達郎, 片山, 容一, 平山, 晃康, 川又, 達朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1998
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.26.4_265

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Summary:われわれは破裂脳動脈瘤急性期の血管攣縮の予防に対し, 積極的なhypervolemic therapyを行い良好な結果を得ている. ところが実際に輸液量を増していくと, 血清ナトリウムの低下を伴った尿量の増加が起こり, 目標の循環血漿量の確保に苦慮することが多い. この病態にはナトリウム利尿に基づく, いわゆるcentral salt wasting syndromeが関与しているものと推測される. 近年, くも膜下出血急性期におけるナトリウムおよび水分出納に着目した循環血漿量の管理が注目されてきている1)7)8)9)12). 本研究では, くも膜下出血急性期における水分, 電解質出納を観察するとともに, 尿細管レベルにおけるナトリウムの再吸収作用をもつ鉱質コルチコイドを投与し, その効果について検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.26.4_265