血管内治療を行った人工股関節置換術後25年目発症の外腸骨動脈仮性瘤の1例

症例は,25年前に右人工股関節置換術が施行された87歳の女性.突然の腰痛と右下肢痛を自覚され救急要請.特発性右腸腰筋血腫と診断.保存的加療を開始したが軽快せず,入院2カ月後に血管造影検査により,外腸骨動脈仮性動脈瘤と診断.人工股関節置換術に用いた寛骨臼蓋から突出したスクリューが外腸骨動脈に接しており,物理的刺激が原因で仮性動脈瘤が生じたものと推定された.治療は血管内治療を選択し,外腸骨動脈の細い径に合う市販のステントグラフトが入手できないため,胆道系covered stentを代用した.術後経過は良好で,血管内閉塞なく,血腫は縮小し良好な経過を経ている....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 1; pp. 26 - 29
Main Authors 佐野, 達夫, 冨田, 礼花, 具志堅, 進, 小松, 健一, 福澤, 俊昭, 谷島, 義章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.26

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Summary:症例は,25年前に右人工股関節置換術が施行された87歳の女性.突然の腰痛と右下肢痛を自覚され救急要請.特発性右腸腰筋血腫と診断.保存的加療を開始したが軽快せず,入院2カ月後に血管造影検査により,外腸骨動脈仮性動脈瘤と診断.人工股関節置換術に用いた寛骨臼蓋から突出したスクリューが外腸骨動脈に接しており,物理的刺激が原因で仮性動脈瘤が生じたものと推定された.治療は血管内治療を選択し,外腸骨動脈の細い径に合う市販のステントグラフトが入手できないため,胆道系covered stentを代用した.術後経過は良好で,血管内閉塞なく,血腫は縮小し良好な経過を経ている.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.26