大腸菌のO抗原合成遺伝子領域の解析と検査法の確立
大腸菌はO血清群を指標として細分類され, 特に病原性大腸菌の調査や研究においては, 分離株の優先すべき特徴としてO血清群の判定が行われる。O血清群の多様性はO抗原合成遺伝子群の多様性と関連しており, それぞれのO抗原合成遺伝子群に特徴的な塩基配列はO血清群の判定に利用できる。我々はこれまでに定められているO1からO187までのすべてのO血清群におけるO抗原合成遺伝子群の配列を決定し, 保存性と特異性の両面における特徴を明らかにした。さらにその解析結果を基に, O血清群を網羅的に判定できる2つの遺伝学的な手法を開発した。一つはPCRを基礎とするマルチプレックスPCR法(E. coli O-gen...
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Published in | 日本細菌学雑誌 Vol. 71; no. 4; pp. 209 - 215 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本細菌学会
2016
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Summary: | 大腸菌はO血清群を指標として細分類され, 特に病原性大腸菌の調査や研究においては, 分離株の優先すべき特徴としてO血清群の判定が行われる。O血清群の多様性はO抗原合成遺伝子群の多様性と関連しており, それぞれのO抗原合成遺伝子群に特徴的な塩基配列はO血清群の判定に利用できる。我々はこれまでに定められているO1からO187までのすべてのO血清群におけるO抗原合成遺伝子群の配列を決定し, 保存性と特異性の両面における特徴を明らかにした。さらにその解析結果を基に, O血清群を網羅的に判定できる2つの遺伝学的な手法を開発した。一つはPCRを基礎とするマルチプレックスPCR法(E. coli O-genotyping PCR)で, もう一つはwzx/wzyとwzm/wztの配列セットを用いたBLAST検索による方法(SerotypeFinder)である。いずれの方法で得られる結果も表現型に準じており, 今後, 大腸菌における調査や研究において幅広い利用が期待される。 |
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ISSN: | 0021-4930 1882-4110 |
DOI: | 10.3412/jsb.71.209 |